8/23 「風さん、高木さんのヨーロッパ紀行」
『風さん、高木さんの痛快ヨーロッパ紀行』(山田風太郎・高木淋光著 出版芸術社)を読みました。
昭和40年に団体旅行でヨーロッパに行った二人の推理作家の珍道中。
高木さんは「白昼の死角」とかを書いていた作家で、音楽にも興味があったみたい。もともとこの旅行の目的はドイツのバイロイトの音楽祭に合わせたものだったらしく、風さんのほうは音楽に興味なくてなんとなく高木さんに誘われて行ったみたい。風さんのほうは「甲賀忍法帖」とか「魔界転生」の作者らしい。
高木さんのほうは「ぼくのヨーロッパ飛びある記」として出版していたとのこと。今回のこの本はその復刊にプラスして風さんの未公開日記が載っていたの。 上段に飛びある記が、下段に未公開日記が印刷されていました。同じ日の出来事だけど違う視線で書かれていて興味深かったです。 高木さんのはちゃんと読み物として完成してるけど、風さんのはいわゆる日記なのでもっと素直な記録。食べたものがしっかり書かれていて、機内食はイラスト、といっても文字で「テイ」「バタパン」「桃」「トマト」とか配置後とに書かれているの。私が旅行したときにつけているメモはこっちに近いよなーと思って見ていました。
50年以上前の海外旅行なので今と勝手が違っててすごく興味深かったです。
まず金額。8/3から9/4の1ヶ月間で689,000円。こう書くと今と変わらないんじゃ?と思うけど、大学の初任給が2万円の頃。 とすると今に換算すると・・・・・20万位だって。という事は10倍すると・・・・689万円!!!!どひゃひゃーーー
旅の途中で高木さんは壊れたカメラを修理するためタクシーで片道350キロをすっ飛ばしていったと書いてあったのだけど、ドンだけ掛かったろうか? 二人とも人気作家で死ぬほど金を持っていたんだなぁ。羨ましい。
子供の頃の海外旅行って「すばらしい世界旅行」とか「兼高かおる世界の旅」なんかのテレビでしか体験できなくてさ、よく見てたよねーー
昔のヨーロッパなのでまだ国ごとに通過が違い、毎回両替して、通貨の単位に頭悩ませて、手数料取られて・・・・って大変そう。 「ヨーロッパ合衆国が出来るまであきらめるしかない」みたいな旨が書かれていたけど、今はユーロだから楽だよー。 クレジットカードも便利だよーー そいでもってシェンゲン協定? 入国のたびにパスポートのチェックが要らない奴、あれもいいねーー
この人たちの旅はまず船でソ連に渡り、シベリア鉄道を通り、モスクワへ。今度行くところなのでしっかり読みました。まぁでもこのときと違ってロシアになってるしねー
その後はアムステルダムへ。飾り窓の話とかなんか海外に買いに行ってるって気分悪いなぁ。とは言え私もしっかり見物に行ったけどね。
あとやっぱり時代のせいか二人とも女性蔑視って感じはしたね。 そこまで気にはしないけどね。
そしてロンドン、パリ、ローマあれ?ドイツいつだったっけ?パリのあとがミュンヘンでオーストリアに行ってバイロイト、ジュネーブ、ヴェニス、ローマ、アテネ、そしてみんなと別れ2人旅となったフランクフルト、ベルリンだったよ。
私が行ったところも何箇所か出てきたけど、多分建物とかは50年位では変わらないんだろうね。食べ物とか日本人への対応とかは変わってきていると思うけどね。
そうそう、日本料理の評価があのころはめっちゃ低かったらしく、今の日本職ブームを二人が知ったらびっくりするだろうなぁと思いながら読んでいました。 この時代と今では日本に対する欧米人の評価はめっちゃ変わったよね。日本食、日本人の礼儀、道徳心めっちゃ評価良いよ。ただどんどんその素晴らしい道徳心は下がって行ってる気はするけどね。情けない日本人が増えてきた気がするよ。
あぁ私もヨーロッパ漫遊したーーーい。
そういえば昔読んだ少女漫画家のヨーロッパ旅行エッセイ漫画(?)と比べると見ているところや評価が違うよね~ あのコミック読んで余計ヨーロッパに憧れたものだもんなー
そうそう、女性の買物や集合時間の守れなさを嘆いていたけど、まぁそれはわかるなー 時間守らないやつがいるとツアーは大変だもんなぁ。
【「BOOK」データベースの商品解説】では
「「忍法帖」の山田風太郎・「神津恭介」の高木彬光、2人の巨匠が敢行した抱腹絶倒のドタバタヨーロッパ珍道中!高木彬光の旅行記再刊行に加え、山田風太郎の秘密の旅日記を初公開。直筆イラスト・写真・その他新資料を多数収録。」となっていました。
じゃあね
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