2/1 「春告鳥 女占い十二か月」
『春告鳥―女占い十二か月』(杉本章子著 文藝春秋)を読みました。
「女用知恵鑑宝織」という生まれた月ごとにその人の前世やどんな人生を送るかが書いてある占いの本があって、1月から12月までの物語が載っていました。
最初の1月生まれのお千代の話がハッピーエンドだったので全部そうかなぁと思っていたら2月のお里はどうしようもない亭主のおかげで女衒に売られてしまうという幕引き。悲しか~ でも3月の咲江はまたハッピーエンド。だから奇数月がハッピーで偶数月は悲しいおわりなのかなぁと思いながら読んでいったのでした。4月のおゆうも家族を救うために客をとって、でもそれって違法だったから(!)吉原に無理やり売られてしまったの。そういうのがあるってのも初めて知りました。花魁になって結構売れっ子になったもののやっぱり悲しい人生だよね。5月、お孝は苦労したけどやっぱりハッピーエンドだよね。6月はお紺の話だったけど、これはハッピーエンド。7月のお蓮も悲しい運命の女だったけど、ハッピーエンドだなぁ。8月のおたみ。彼女も亭主に浮気されてたけど最後は一応ハッピーエンド。 9月は芸者の小新の話でしたが、うーんと・・・やっぱり終わりよき話かな。10月は自分の産まれ月なので楽しみに読んだのですが、殺人事件の話で悲しい話だったなぁ。11月の雪絵は悲しい終わり。でも途中で猫のお玉が語りをするという珍しいつくりでした。最後の12月はお梶の話はほろっとする話。
女の人を主人公にしてあるせいか、亭主に浮気されてよそに子供を作られても我慢したり、お金がない~女郎になるしかなかったり、やっぱり江戸時代って女性には厳しかったなぁと思ったりもしたな。考え方が今の私達とやっぱり違うんだよね。だから今の感覚でダメだししちゃだめなんだよね。
一文獅子 、冬青 、春告鳥 、空木 、つばめ魚 、 あした天気に 、ト一のおれん 、秋鯖 、ごんぱち 、夕しぐれ 、お玉 、万祝 がタイトルでした。
【「BOOK」データベースの商品解説】では
「江戸時代、実際に売られていた占い本から想を得て、一月から十二月まで、その月に生まれた女の人生を描いた傑作時代小説。」となっていました。
じゃあね
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