3/14 「アルファベット・ハウス」
『アルファベット・ハウス』 (ユッシ・エーズラ・オールスン著 ハヤカワ・ポケット・ミステリ) を読みました。
「特捜部Q」の作者の本ということで借りてみました。
読みながらあ、この作者の話は結構辛かったというのを思い出し、この本も最後は悲惨な結末になるのでは・・・とひやひやしながら読み進めました。 第二次世界大戦の中、イギリス人だったけどドイツの国に飛行機が墜落し、なんとか生き延びるために列車に逃げ込み、病人のふりをしなんとか生き延びようとするシーン。戦時中とは言えあまりにもひどい。 でもそれが戦争なんでしょうね。
友だちを見捨ててこなければならなかった、その気持ちを抱いてずーーーっと生きてきて・・・第二部ではまたドイツに戻り友を探すという話。 いやーあの悪魔の3人が死なずに生き延びていたとは・・ ジェイムズも生きていたけどやっぱり廃人みたいになっててね。ペトラも付いていてくれたけど、でもでも本当に悲惨な30年だったなぁ。
読んでいて「あぁ携帯電話があったら・・・・」でも時代はミュンヘンオリンピックの頃。まだドイツは東西に分かれていたし、形態電話なんて全然普及していない頃。
残されたページがどんどん薄くなっていくと あぁこの人は死んでほしくない、お願いだからハッピーエンドにして・・ とにかくそう願いながら読みました。
死なないで、と思った人はありがたいことに誰も死ななかった。でもなんか読後感は重い。また2人仲良く親友に戻って「あはははは、あはははは」なんて(笑)って生きていくわけには行かなかったんだね。 戦争さえなければこんな親友に亀裂が入ることはなかったろうに。多分、多分・それともいつかは亀裂が入っていただろうか? 誰にもわからないですよね。
今丁度ドラマ「刑事フォイル」を見ているけど、これも第二次世界大戦があってるときのイギリスの話。たまに捕虜となったドイツ兵の話とか、偵察の飛行気乗りの話とか出てくるのでこの本を読んでいて情景が想像しやすかったです。
言葉さえ話さなければイギリス人がドイツ人のふりをするのもたやすいんだろうね。日本人がドイツ人の振りは難しいだうけど。
【「BOOK」データベースの商品解説】では
「英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜された。かろうじて脱出し傷病を負ったSS将校になりすますが、搬送先は精神病患者に人体実験を施す通称「アルファベット・ハウス」だった。そこに軍の財宝を着服した悪徳将校4人組が紛れ込み、虐待が横行する。ブライアンだけが命がけの脱走に成功するが、やむなく残したジェイムズのことが気がかりだった。28年後、ジェイムズを探しに訪独したブライアンは、町の名士として偽名で暮らす悪徳将校らを発見するが…。人気作家が描く友情と愛憎の物語。」となっていました。
じゃあね
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