1/17 「イデアの影」
昨日一日で読んだのが『イデアの影』(森 博嗣著 中央公論新社)です。
狂った女の話、いや狂っていく女の話か。
主人公彼女、やっぱり原因は子ども時代にあるのだろうな。厳格で暴力を振るう父に年の離れた暴力を振るう夫。いつも抑制され、感情を表に出すことを禁じられた環境で萎縮して過ごしていたのだろうと思う。でも実は魔性の女だったのか?ハセガワさんも、タカヤナギ先生もススムさんも彼女の魅力に引き込まれた後死んでしまっているでしょう? ハセガワさんと事が起こった記述は無いけど、あくまで彼女目線の記述だから都合の悪い事は飛ばしたり省いたり夢の中の出来事にしているのかも知れず・・・
遠い田舎の療養所に言って大分良くなった後、夫も考えを改めこれからちょっと幸せになるんじゃない?って思った矢先、たった3日で夫死去。そりゃーもうダメだよねぇ。 彼女、壊れるわ。
誰が田舎の療養所から都会の病院に移したんだろうね? だから最後はあんな結末になっちゃうんだ。まぁ彼女は幸せの中神様に命を返すことが出来てよかったんだろうけど、暴れた男の親族が可哀想、ってつい思っちゃった。 田舎の療養所の墓のそばでハモニカの少年とともにひっそりと命を返したほうがよかったろうになぁ。 ハモニカの少年は何の象徴だったんだろう? 彼女の心? 実は夫?
うーんと・・・ なかなか怖い物語でした。 新井素子の「おしまいの日」を思いだしちゃった。
【「TRC MARC」の商品解説】では
「愛情とか欲望なんて、土の中へは持ち込めない。悲しみだっていらない。静かにじっとしているのに、そんなものは余分なんだ。そうでしょう? 美しく繊細な、ガラス細工のような「幻想小説」。」となっていました。
天気、崩れたね。
曇りなのに10時ごろでも洗面所は4度しか無かったです。
とうとう雨も降り始め・・・・ あぁ晴天が、晴天を渇望。
じゃあね
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